卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

文章1

 かあ、かあー

帰り道、こえ。からすなんてどうでもいいはず。振り返ってしまった。
夕焼け からす 鳴き声
からすは紅く染まったそらを浴びて一匹電線に。
なぜなんだろう。こういうことは決まって当たり前のように起こる。なぜか当たり前なんだ。余りにも不自然なのになぜ受け入れてしまうんだろう。
からすはこちらをみていた。それは極自然なこと。なんてことない。
からすをみた。
別になんてことない。
でもなぜか どこかで会った気がする
そんなことを感じた。

からすなんて判別つかない。からすはからす、どうでもいい。
じゃあなぜ。わからない。不自然だ。
検索
『あなたの脳はこんにゃくなのです。だからなんてことない当たり前の出来事』
『夕焼けはそういうせかいの入り口です。あなたは選ばれた使者なのです』
ろくなもんがない。
まあそれでもそれらしきものはでてきた。
『人間は色々混ざり合い生きております。余りにグッチャグッチャで時に不具合起こします。もしあなたが笑おうとした時になぜかビンタしてしまったのならそういうことです。理解してください』
そういうことなのだろう。あれは幻なのだろう。心配して損した。

でもそうは思えなかった。いつまでもからすが片隅に残っていた。なにをしていても。
もしかしたら。そう思っても不思議ではない。
電線。ゴミ捨て場。探した。一緒にみえた。
もう会えないのかも。当たり前か。
俺はわからないから。偶然だったのだ。

出会いなんて意味がわからない。どうして出会えるのだろうか。

雨が降っていた。浅い雨。傘をさして黙々と。
こういう日はただ過ごす。そうするしかない。

もしあなたが振り返るならどういうときだろう。必要なとき。みなければならないとき。それだけ。
わたしは振り返った。そうするしかなかった。
電線 鳴き声 からす
自然だ。当たり前だった。幻じゃなかった。
ただみるだけだった。それ以外に必要なかった。
「あなたはわたしを憶えていますか?」
思わずいった。無理だった。
鳴かない。ただそのまま。
「わたしはあなたとどこかで会ったことあるようなそういう気がして。ただそれがいいたいだけ。でも知りませんかわたしのこと」
そのままだった。でも僕と彼はどこかで会った気がする。嘘でもなくまぎれもない本当だった。確かな本当。僕は出会えたんだやっと。
からすは飛んでいった。ただみるだけ。僕はここにいるよ。それを握り締めて。