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ふにゃっ

あの星のふもと、かたちが手を振っている

雨が降っている。傘がいっぱい。雨は弾かれて飛んでいって地面に散らばる。
「雨もかつてはほしだったんだって」
口からこえがこぼれている。耐えきれなくなったんだろう。
「ほしはそらだった」
そらは雨雲。ちょっとした雨が軽く緩やかにおちている。
「もう無理だった」
雨はぼくたちに教えてくれる。
「痛みにしては軽くないか」
どこにいくんだろう。地面に散らばって流れていって彷徨ってみえなくなる。
「もっと泣いていいんだ。おれたちに教えてくれよ。なあ」
いつかなくなってしまう。そんなの嫌だ。
「おれたちはしれなかった。だれもみていない」
ゲロゲロ。カエルが鳴いている。
「せめて聴くことぐらいか。おれたちができたことって」
かなしみ。ぼくたちのいたみ。
「だれが鳴いてくれるんだろう」
耳をすませる。聞こえるなみだ。
「拾えるかな。溢れちゃうね」
しずく。地面に落ちる。
「そして散らばるわけだ」
みえない。もうしれない。
「仕方ないね。それがおれたちってわけだ」
そうおもうしかないのか。どうしようもなくそれとして。
「まあお茶でも飲もうぜ。できることってやつをだな」
雨は降っている。傘はどこにいったんだろう。ただ浴びていた。
「痛いか、涙」
軽く、ただみているだけ。
「泣いちゃうねこの程度しかわからないなんて」
下水道ではねずみが走っている。肉を求めて走り回る。
「もう傘をさそう。いい加減風邪をひく」
ぼくはただそらをみているよ。雨を浴びている。
「そうか。元気でやれよ、せいぜいな」