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ふにゃっ

かたちだよ♡

自動販売機

一日一文

一日一文

お金を入れてボタンを押すとでてくる。飲み物。なかになにかが入ってる。溝か。宇宙のバケモンでも入っていて俺は食われる。だから開けるな。買うな。あれは罠だ。ゴミ集積所だ。当たり前のように遍在してふとした瞬間に存在を誇示する。飲め。飲みたいならば。あなたはここを利用しましょう。いいもんありますから。水分欲しいんでしょう?

水。水は川。水は雨。水は血。水は海。水は水道。水は蛇口。水はペットボトル。水は意識。
制御制御。言葉に嵌められる。安全安心。当たり前の道。確かによる今。
母は汚れを嫌う。汚さは世界を汚す。自らを殺す。掃除、清潔。綺麗を保ちたまえ。
世界はある部分において服を着ている。大きな服。安心安全当たり前なる確か。世界を綺麗に保ちたまえ。
水。川は汚い。飲んだことがない。川の水。洗剤が流れる。魚が流れる。泥が流れる。痰が流れる。死体が流れる。わたしも流れる。誰か飲む?
米は田んぼから生まれる。稲は種もみから苗、泥のなか水を吸い成長していく。虫。カブトエビがうろちょろ、カメもいる。
汚い。清潔清潔。知らずにわたしは米を食べる。白いご飯を食べる。清潔清潔。まるで浮いた白米。知らずに思うことなくわからず食べる。汚い。肌に触れることを拒否する忌み嫌う存在に囲まれながら育った彼らをわたしは知らず食べる。口のなか、ドロドロの液のなか内臓を進む。
水。水はきれい。清潔。細菌は死んだ。水は死んだ。私は飲む。鉄の味。
お風呂。お風呂の水はきれい。身体を温める。許しを乞う場所。存在を逸らす。生きているかわたし。生きるの逸らしの末。そんな空間にわたしはしてしまった。なったのだ。
水。外は雨が降っている。世界は白く碧く濁りわたしはいつも部屋のなか。傘は埃にまみれた。わたしは傘を使う。なにかがわたしと接触したとき傘を使うことを強いられる。別になくてもよい。雨に当たればいい。雨は服を地面へと身体へと密着させようとする。重い。そして雨に流されわたしは消える。雨とともに地面へと密着。そのままわたしを過ごす。なにもかも嘘だ。
在る。傘はある。傘は使われない。わたしを以って使用されない。誰かを以って使用される。浮いた、不可思議な存在。
自動販売機。誰かが為、わたしの為。様々ななにかの集合体。わたしが通過しても彼らはただ立っている。空になっていても立っている。至るところに場所を繋ぎ護り世を示す。
わたしは利用しない。使用しない。ペットボトル。蛇口。水はやかんのなかで沸騰しわたしにお茶として顕在する。水。わたしの水。まるであるかのような。浮いた水。
自動販売機。家のなか自動販売機。本棚のなか自動販売機。屋根のうえ自動販売機。お風呂のなか横たわる自動販売機。フライパンに炒められる自動販売機。街を歩く自動販売機。飛行機椅子に座る自動販売機。自動販売機。
空間と空間ひととひとは紡げなくなる。連続性を失い空間に神経質となり虚空。心細さ。自動販売機。自動販売機がないとひとは保てない。神経質。あまりに神経質。
自動販売機は街を覆う。自動販売機。地球の象徴。Wi-Fi自動販売機の上に付けられた彼ら。缶。誰も飲まない。でも必要。神経質だ。
適切な距離適切な量。はっきりと確かと認めるまでに必要な要らない自動販売機。私たちには必要だった。もう空気? 自動販売機はもうない?
なくなった。誰も当たり前すぎて、もうない。ありがとう自動販売機。特になにもないが。はい。