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ふにゃっ

あの星のふもと、かたちが手を振っている

這い上がる渋き侍たち

どこの球団にも特色はあるが最近のヤクルトは古きよき水島漫画でよく描かれた人情ともいうべき補強を行なっている。
  かつて光るところを見せたが怪我や不振で自由契約になった選手、懸命に努力するも一軍で花開くことのなかった選手を獲得して彼らを戦力として上手く役割を与え輝かせる。移り変わりの早いプロ野球界でもう腐っていてもおかしくない場所から輝くその姿からは勇気をもらえる。
 今季は大松と榎本と両選手を獲得した。大松はロッテに数少ないホームランバッターとして花開きかけた選手だったが不振で上手く軌道線に乗ることは出来ず一昨年ほぼ首同然の状態から一年機会を貰ったにも関わらず5月に無念の右アキレス腱断裂。これは半年治療に時間を要するもので背水の陣の大松にはプロ野球人生を閉ざすことも意味しただろう。でも彼は諦めずリハビリをした。首になっても諦めなかった。そんな彼をヤクルトは獲得したのだ。左の長距離打者、かつてはユウイチが勤めていたであろうポジションが開いていた。入団した大松は結果を残した。開幕前こそ二軍だったものの一軍より少し早く開幕する試合で彼は5割を越す打撃を示した。それを聞いた一軍首脳陣は急遽大松の一軍招集を決めた。半ば周りから見ればもう無理と見えたプロ野球選手の道を彼は凌いで凌いで再び一軍の舞台に姿を見せた。開幕前のセレモニーでベンチ入りの選手が一人ずつグラウンドに呼ばれていくとき大松の名が呼ばれた瞬間ひときわ大きな歓声が神宮球場を包んだ。みんな知っていた。大松がここに居るという価値を。
 大松は一試合目から大事なところで使われた。その日は打てなかったが三試合目では見事に流し打ち。結果を残した。これからも大松には一日一打席、三打席で一本出れば一流の世界でたった一打席で全てを決める代打で生き残らなければならない。ただここ迄に苦しみされど蘇ってきた大松という男に代打は似合う。横浜戦では大事なところで打たないでね。
 榎本は身体も技術も一回り大きくなれば活躍するだろうなとテレビで見て思った選手だった。彼は去年のトライアウトで他の選手が自分の番を終えると帰っていくなか一人最後までグラウンドに建ち続けた選手だ。そういう所も少なからず見ているのであろう。例えどれだけ今のトライアウトと呼ばれるものが半ば形だけのものとはいえそこに出るということを選択しているならばそこではプロなのだ。忘れてはならない。
 昨日試合では鵜久森も打った。鵜久森も自由契約でヤクルトにやって来た選手だ。日ハム時代には上手く自分のポジションを掴めきれなかった選手ではあったがヤクルトでは機会を貰い結果を残し始めている。
 ヤクルトというチームは怪我でかなり苦しんではいるものの主力控えと共に良い選手が多い。首脳陣選手に脈々と受け継がれる遺伝子が何なのかヤクルトファンではないわたしにはわからないが。脚は速いものの他には目立った特徴のない三輪を一軍選手として上手く当てはめたり暴れん坊バレンティンを長年チームに残していたり雄平畠山山田上田由規館山etc.。いる選手を上手く見出して伸ばすっていうのは野村流? それともかな。まあ総括するとヤクルトはいい。プロ野球はいい。セントラルリーグはいいってことです。これからのプロ野球期待です!