卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

君を思考する

一日一文

思考する思考する。僕は思考する。
君を君を。君を思考する。
描かれた君への道は底の見えない海なのに桟橋から先へはそこの空いたボロ舟で進むしかない。
この島はいつからか僕に占領された島。
思い描けないものは思考されない。
君を思考した。この島にある果物より尊い君を。
僕の島に神はいない。神は誰が思考した?
僕はこの島により思考する。山から湧き出る水を口に含み水平線を眺める。
君君君がいた。僕は海に映る僕の顔をみる。
思考思考する。君がそこにいる。
火は焚き煙は空へと導かれ雲となり君へと届く。
爪と髪と汗を呪って雨は降る。
君の声は島を耕す。
思考する思考する。君を感じる。
風は君のなぶり。

海から得る魚は君の内臓。
血と臓物と目玉が島を象徴する。
槍が島に刺さり僕の大腸は砂に混じる。
思考する思考する。僕は島になる。
舟は沈み僕の口の中は砂で溺れる。
島には誰もいない。鳥は飛んできて僕の脳をちょん切る。
葬式。島は歓喜
君の部屋に鳥が飛んできたら迎えてあげて。そいつは僕の脳を知った鳥だから。
思考して思考して。その鳥は僕を知っている。
君は僕が思考したように僕を思考したから解るはず。その鳥を握って脳を齧りなさい。生肉は不味かろうが我慢して食って。そしたら開けるよ。僅かな僕たちの道が。
やってきて、僕の島は鳥しか知らないから君は今すぐナイフでもカッターでもなんでもいいからそれで首でもちょん切って鳥になるんだ。大丈夫。僕の味を知る鳥を食った君の明日はしっかりと鳥に染み込んで呼吸できるから。飛んできてね大丈夫。僕は君を知っているからあほみたいなくちばしでも迎えてあげる。僕の島にようこそ。ようやく出会えたね。ハッピーだね。いま君に果汁100%の果物を落とすよ面倒だからしっかり実破って食いやすくしたよ。此処で冬だけ僕と暮らそう。それだけで十分さ。普通じゃ出会えない僕たちだったんだから良いことさ。そうだろ?
こういう思考を経て僕はまだ桟橋に立っているよ。沈みかけの夕日を眺めているよ。鳥が空を飛んでいるね。あの中には一匹ぐらい君の味がする鳥がいると思うんだけど如何だろう。僕は君の脳を思考するけど今まで食った脳の中でそんな味に到達した鳥はまだいない。余り生脳を食うのは趣味じゃないんだけど仕方ない。これも君と出会うためさ。思考のためさ。
思考する。思考する。僕は思考する。
君を君を。君を思考する。
君は僕を思考する。自室の窓から見える静かな雨に僕を見る。
雫は窓を垂れて君は窓に手を当てる。
水にあたれ雨になぶられ風邪をひく。
その高熱は知恵を得るために必要なもの。僕が籠めた君への告白。
君は君が思考した僕に実像を知った。もう居ても立っても居られない。
君は今すぐ海岸に行きそこの桟橋に備えてある少しボロの舟に乗ってやってきなさい。途中で遭難して沈没して死んじゃうけれど大丈夫。君の溺死体はおさかなさんが食ってそのおさかなさんは食われて食われて縷々転々で少しの君を僕は食うんだ。
今夕焼けに充てられた僕の口の中には僕の思考で感じる君がそこにいる。
ありがとう。命の縷々転々は幸せな僕の思考で今意味を持った。
夜僕の島には凶暴な動物がいないから砂浜に裸んぼで寝ていても大丈夫。君が今の僕を思考していたとしたら恥ずかしい。
夜の砂浜には亀がいる。卵を産みにきたのさ。蟹もちょこちょこ歩いている。更にね君は思考できないだろうけれどたこも歩いていやがるんだ。僕のところまでやってきて僕の頭を包みやがるんだ。なかなかだろ?
そんな夜で鳥も食わない海でも溺れない潔癖な君はなにを思考する? 夜伽のおとぎ話にはしっかり僕を思考しているだろうね。その思考は絶対だろうね。思っているよ。
あの月を思考してごらん。僕は思考した。君もして。
綺麗だ。まるで君みたい。
世界中で月は君を思考する為に存在する。過言ではない。世界の人口は君を支える為に存在する。
僕の島は地図にない島。人口統計の住民票を僕は提出していない。流石の役所も鳥にはなれんからね。
君は誰かに支えられている。僕は島を支配している。
島は僕を知っているだろうか。僕だけが生きているなんて烏滸がましいだろうね。
君は住民票を提出している。君は毎年体重を計られる。
僕は水平線を眺めている。舟は海に現れない。
思考する思考する。君を思考する。
この島を水位は凌駕して僕が溺れたとき君は僕を想像している?
僕がさかなに食われて縷々転々で僕の味を少しだけしか得ていないおさかながスーパーで有象無象に並んでいる切り身もしくはさば缶のなかに存在したとして君は的確に僕を感じるだろうか。
今日君が食ったさんまのなかに僕がいたよ。
縷々転々雨の中魚の中鳥の中僕はいる。
今夜夢を見たよ。君を思考した僕の夢。
夢の中だから君を思考できているのかもしれない。僕は君を知らないし毎日忙しいから知らない君を思考していないかもしれない。
夢に託した君を啜っているよ。
頭の中の地球儀を回して指差したところに君がいたら僕は今すぐチケット買って博多から君のところに行く。
僕は誰も知らない島の上で君を思考しているよ。
思考思考思考って君のために在るんだよ。
僕は君のために在る。
ぼろぼろの桟橋の先でいつも水平線を見ているのが僕なんだ。それぐらいしかすることないからね。
僕が占領した島は綺麗だし住みやすいんだけど誰もいないし何も起こらない。易しい雨と温い風と柔らかい雪が僕の島に積もるよ。さかなはおいしいし果実は甘いし塩はしょっぱい。
この島にナイフを貸して。君が思考して。僕の君は首にナイフを刺す。
君を思考したい。僕が君がいることを思考する。夢の中で思考する。
現実はいつも雨でした。
僕は明日君の声が島に響くことを知っている。僕の毎日はいつも今日だけど明日が訪れたら君と出会えることを僕は知っている。僕は明日を思考する。迎えられることを思考する。
君の思考が壊れて僕自体が剥がれて今ここに僕は居ないことになったら僕は困るよ。
思考して思考して。止めないで。
僕は止めない。絶対止めない。約束。僕は思考する。約束を思考する。思考を思考する。縷々転々思考する。約束。思考する。
僕がいたこと君がいること思考する。
病室に君もしくは僕がいてその隣に僕もしくは君がいることを思考する。
思考を止めないで。止めないということに夢中にならないで。僕は君。君は僕。ただそれだけのこと。
思考する。思考する。僕は思考する。
今まで思考が全部思考でしかないとしてそうならば君はもしかしていないのかな?
僕の思考の縷々転々。
思考に夢中になった僕は君が幻想か現実か解らなくなりました。
目を開けると僕は思考できない。窓から思考する君は目を開けていても思考している。
ごめんなさい。僕は謝る僕を思考した。
君は謝る僕を思考する。僕の思考が届いているなら思考している。
僕の思考は縷々転々。
君に届け。一体何をしたいの?
僕は思考する。思考のためか僕のためか君のためかもう思考できない。
ただ思考する。僕が占領した島の桟橋で水平線を見つめながら君を思考する。
僕をして。僕の中の君が僕を思考している。
思考する。ただ思考する。
僕の思考の延々。
永遠に包まれた僕の思考。
もしそうならその甘い思考をいつまでも包んでいて欲しい。それが僕だから。
思考する思考する。僕は君を思考する。
思考して思考して。止まらない限り僕を思考して。止まったら止まったらでいいから僕を向いている間ぐらいは思考してくれるなら、って烏滸がましいね。
ただ僕は思考する。それが僕の思考。
君の思考は知らない。思考は君のものだから。
ただ思考するよ。僕はする。君を思考して縷々転々届けと思考するよ。
それが僕。僕だよ。うん。
延々っておかしいね。君を思考した僕は烏滸がましい。
思考しない。君を思考しない。
嘘つきな僕は思考を止めてただ水平線を眺めてる。
君の味の鳥も魚も雨も思考しなかったらわからないね。
ごめんなさい。
舟が僕の島にやってきた。僕が息吹をここで感じて初めてのこと。
女の人が乗っている。木の棒漕いでやってくる。
僕は島の奥へと逃げた。桟橋に彼女は降りる。
彼女は島の奥、眺めのいい島の頂で身を竦める僕の目の前にやってきた。僕をじっと見つめて知らない知らないわからない。
「君のこと思考していたよ」
ごめんなさいごめんなさい。僕は忘れた。思考を忘れた。君への思考に苦しみを感じてそんなのなんてことないのに忘れちまった。今たとえ君の腕を噛んで血を啜っても君のこと気づけない。だからごめんなさい。
「じゃあ啜ってみたら」
彼女は腕を差し出す。僕は拒否する。
「大丈夫」
彼女はナイフで腕を切り裂きそこから溢れ出した血を僕の口こじ開けて無理やり飲ませる。
『君の思考は永遠に包まれてだから私は君を思考していたし君の思考は忘れられない。それは恐怖だけど時偶こんな現象を起こしてくれるよ。安心して。私はあなたを思考していたの。今君と出会えたの。それは思考の結果よ』
よく分からない。でも僕はここにいて、彼女も此処にいた。
「思考は延々には続かないわ。でも永遠に残る」
僕が占領した僕だけの島にどうやってかわかんないけれど舟漕いで彼女は進入した。此れもまた僕の思考で嘘で目を開けた瞬間消えると思ったから僕は目を開けた。開けようとしたんだけど開かない。
「あなたの目はずっと開いていたわよ」
そう彼女は云うから僕は思考した。嘘、嘘、嘘なんだ。
「現実を認めなさい」
彼女は僕の顔をぶん殴って飛んでいった僕は道をてくてく歩く蟹に頭をぶつけたんこぶできた。
「痛いからこれは現実」
彼女は僕のひりひりするたんこぶをさすっているがそれはひりひり増しているだけだからやめてほしい。
「まあ何にもないに等しい島だけど私は住むわ。その為に来たんだから」
勝手だ勝手すぎる。一体僕が思考した君は君とは認められない。
「そんな君ならいつまでもあなたの元にやって来ないでしょ。だからわたしなの」
ああ…。なんて現実だ。僕はげっそりしながらこの暴挙なる女を見つめるのではなく海を眺めていた。ずっと君を預けた水平線、もう君は思考されない。ここに君に似つかわしくない君が来たのだから。
「さあさかな釣るわよ。早くきなさいこのおたんこなす!」
「あああ…」