卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

色々を抱えながら

牙狼〈GARO〉 9,10話

最近牙狼と云う特撮を見ている。数年前に視聴こそしなかったもののBSの有料放送チャンネルにて無料で放送されていた縁で如何してか記憶に残っていた作品。そう云う変な関わり方をした者とは如何してか関わることになる私の生きる。直感は常に正しくその上で果たして何が築かれていくのか。そう云う話となっていく。

現在第十話まで見ている。光や闇、ホラー等扱われる単語はその分野としてはナチュラルなものだなぁって十年も過ぎた作品の位置等も知らずに思う私。まぁそう云うものはあまり関係ない。魅せてくれればいいのだ。魅せれば。
そんな具合でのろのろ一話ずつ全26話の牙狼を一話ずつ自室にて見ているわけなのだが第十話人形にて描かれた人間の本性と語られるもの存在とピエロという狂気の単語について暫し思いを馳せてみたい。生のピエロの記憶など得てしてなく日常的空気に紛れ込んでいたハンバーガーショップの顔的マスコットの異常な触れ合いぐらいしか直ぐ様思い出せない、まぁその程度なピエロ。中心の端ならぬ端の端とでもならなければ語るに値せず、そんなピエロ。はてはて。

此処まで見てきた牙狼と云う作品では夜中に登場する悪魔的ビジュアルが正体のホラーと呼ばれる魔物が其処らで如何してか欲望を抱え込んでしまう人に付け込んで乗っ取り人々の生命を食い散らかすのを主人公の牙狼さんが退治するお話。第十話人形では下手なカップルやおちゃらけほいほいな大学サークルたちの本音を見せる道化師さんがホラー。道化師さんは本音を語りましょうと言い普通なる日常過ごす人々が互いへ話すことない感情のたがを外す。そうすると場はお互いの感情をぶつけ合いはちゃめちゃ、殺し合いが展開されてその後残念な様子で地面にくたばる彼らを道化師は食っちゃうという寸法。ご馳走様でした。そう云う性質の道化師と牙狼というタイトルの全体を通したお話とが混ざって語られるのが第十話。
道化師は本音を語りなさいと云う。本性を見るのがお好きなようだ。本性。胸に抱えた渦な気持ち。豚、金づる、性的欲望。其れが本性。人間の本当。道化師の本当。
其れもまた事実です。事実でしかありません。色々あるなかの一つ。生きていくなかで諦めたり認めたり、自分のなかで大事なものとそうではないもの、ないもの。あるなかで正しく生きている。
其処まできたの。他人だとか世界だとか社会だとかに対する見解が足りていない。経験すべきものが足りていない。個人に必要? ただ生きていけばいいのさ。罵り合疑い鬱になればいいのさ。其れが其処で生きる普通さ。
何処で生きていこうとしたのさ。何故生きていこうと思ったのか。どう云う風に自分は保っていると考えたのさ。そう云う今までを考えて、下手に崩すことはいけない事だとも思えなかった、全く別の思考を抱えていたわけだ。
僕の中にもピエロがいる。とても使い尽くされていて使うのが恥ずかしくなるピエロなんだけどやっぱり彼は強い。うふうふ笑ってる。
まあそう云うあるものを否定したら駄目だね。第九話試練はそう云う話だった。牙狼たる鋼牙とヒロインたる絵描きの端くれカオルが其々に越えなくてはならない壁とぶつかる話。ヒロインとの会話はままならず変な白い服装で日中歩き回り召使いたる爺やと何処やらの洋館で暮らす変な男。そういう印象を彼に抱える私ではあるのだが鋼牙は日々魔物との戦いに身を尽くし、自身の在り方を忘れない為に武術の研鑽をこなしている。鋼牙は自身の目の前にある壁に向き合い逃げずものにする。自らの闇、闇に呑まれることを恐れ踏み込まない。そんな弱点に直感に気づけた鋼牙は強いと云う称号を嵌め込んでも不恰好ではない。ヒロインのカオルも壁とぶつかっていたのだが。考えるとこりゃあカオルという人はまだ此処までの話では大いなる認識のもとでは鋼牙の所属する世界には関わっているわけではなく自身の人生をまだ生きている彼女ではある訳で。そのなかで様々な縁が次第に彼女を何処かへと誘おうと云う気配があるなか訪れる壁は父との確執。父が嘗て無償で書いた絵の修復。彼女はその依頼になんとか引き受けたものの結局は其処までの縁はないと離れていく。しかし爺やにより鋼牙が自身と戦っていることを知ったカオルは自身もまた戦いの場へと姿を戻し自身の壁を乗り越えていく。父といい記憶はないと記憶していたカオルであって、床に伏する母の見舞いに誘っても絵を描き続けた父の母への愛。たとえどうであれ其処にはあるのだ。見る位置が違っていた、生きてきた道が違っているだけでそれぞれの何かを抱えながらなんとかこうとかやっていたんだ。そういう話。
こうして書いていて少し思考を浮かびあがらせると牙狼は上手く食い込んでいるなあと感じる。なんとかこんとかして生きてきた人の思考が墜ちている。自分もしなくちゃいけない。何を? 自分を。日々ね。そんなこと言っているうちはだけども。