卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

あの日感じた走り高跳びの少女とは

BLOOD+

 BLOOD+と云う50話にも渡るアニメを見始めているかたちではあるんですけど少々記憶と嘘にぶつかる場面が一話にあって少々びっくり。

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BLOOD+BLOOD-Cの判別もつかなかったかたちではあるのだけど何故か知っている。BLOOD+第1話にて描かれた走り高跳びのシーンをかたちは知っている。然し、少々記憶とは映像が違う。その前後にて描かれる展開には身に覚えはないし高飛びする彼女の姿とそこに付随する彼女の感情は全く頭の中の其れとは違うと云うのにこの映像こそがかたちのなかの其れの源流ではないのか。そう直感的に考えるかたちが瞬間存在していた。

 BLOOD+は2005年10月から夕方六時TBS系列にて放映されたアニメだと云う。2005年と云うと恐らくかたちは小学三年生。朝から夜九時程度までのアニメになら食指を伸ばすのほほんとした小学生ではあったので別にみていてもおかしくはない。

 かたちの中に携えた走り高跳びのシーンと云うのはこうだ。

『吐息を吐きながら集中力を高め走り出した少女は長さ15m以上に渡る助走路をゆったりと常日頃磨き上げているリズムに合わせて進んでいく。棒を前にした彼女の胸中はいかほどか。どうして彼女は一本のバーとスタンド二基、その先にある柔らかいマットによって創造された一つの宇宙に引き込まれたのか。彼女のみの理由が其処にはあるのだろう。彼女は可能な限りその世界に浸り続けていた。ばっかじゃない? そのような声を掛けられるのも不思議ではない。然しこの世界こそがどうしようもなく惹かれてしまった世界なのだから仕方がなかった。

 その彼女が飛べない。以前は簡単に乗り越えることが出来た高さに引っかかってしまう。そう云う時もある。何度挑戦しても乗り越えられない以前の当たり前。スランプってやつは不意に訪れる。休め。髭を雑に生やしたコーチは私に様々な声を掛けてくれるのだが然し私は焦るばっかりだった。

「越えなければならない」

 越さなければこの世界から離れる他ない。今さら離れてどうなるというのだろう。君は若い。なんとでもなるさ。解る。解るよ。でも、そんなの欺瞞だ。越えなければならない。私の世界を守らなければならない。そう思えば思うほど棒の高さは日々下がっていく。飛ぶ瞬間足が縮こまり棒に頭が直撃する。背面跳び。青く白い雲を眺めながら過ぎる一瞬。最近は嫌と云う感情に包まれつつある。

「思春期は色々あるのよ」

 母はそう励ましてくれる。それもまた何故か私の心を掻き回す。繊細かつ大胆に創造されている神経に黒く透明な魚が何匹もヒレをどんよりと運転させて私をさざ波立たせる。登校途中最寄りの駅まで近くに友達もいない私は少々暑さを携え始めた七時前の道にて女子学生のアイコンたるカッターシャツとスカート靴下其れに学校指定の覚束ない鞄を背負って立っている。軽い汗を額にゆったりと流して立ち止まっている。目は見開き身体は震えが止まらない。頭の中での現実では私の肉体がナイフでバラバラに破壊されて血が世界に纏う神経に伝播していき少しずつ私の存在を世界に知らしめている。然しそれは誰も知らない。日々私はそれに苛まれているのに日常の私は何事もなく息をして会話を学校の友人と何気なく行うことができる。現実は誰も知らない私だけの秘密になっている。

 体操服はたまた専用の軽い服を身に纏い走り高跳びの世界に接したときにはそのような感覚は身を纏わない。然しいつしか余りにも浸透しすぎた現実は此方の世界に波及しているのか。飛べなくなったのは此れが原因? それならばこの思考は早く私から去ることを要求したい。然しそう思うことはできない。色々と追い込まれている。私の肉体は世界に存在しないのだ。心と身体がばらばら。とっくに身体なんてさらけたわけです。心は引き裂かれました。事実はただ此処にいる私かもしれませんけれど其れ嘘です。真実は私は既に死んでいる。死んでいる人が如何して空を飛べようか。現実で起こっている私の記録の減少は目に見えた嘘の寿命みたいなもんで此れが0になったとき漸く周りの人は私が死んでいたことに気付けるわけです。本当に複雑です。

「久しぶりに感じた空の青さと雲の白さに時が奪われたとき私は其処に世界の真実があるのだと馬鹿げた少女の戯言ながらに信じ込んだ。そして遥か昔からしたらふざけている低さの棒にふくらはぎをぶつけまた棒の高さは1cm下がる」

 もう私には走り高跳びは必要ではないのかもしれない。いわゆる卒業。余りにも乱れ過ぎた。退部届に判子を押すのも一つ洒落た行いだと私は思う。其れでも私には飛ぶことしかない。あの瞬間。スナップショットに的確な走り高跳びが為の空間に嵌り込んだときに生まれる豊潤な世界と私の可能性。飛ぶことが出来なくなり其れでも飛ぼうとする私に訪れた奇跡の瞬間を感じたい為に馬鹿と云われ見切りをつけられ誰しもが私の世界から存在しなくなろうとも私は飛び続ける。其れ以外に道はない。其れが事実。私が認められる立派な真実だった』

 まぁ文章として表すと色々な要素が混ざりあって想像の中の一つにしかなりませんなぁ。だから大事な要素をいくつか取り出して考えると

・体操服の中高生辺りの女学生

時かけ猫の恩返し的なビジュアル。他にも薄い要素を掛け合わせた女子

・恋やら何やらの苦しみに苛まれている

・背面跳び

・空を浮いた瞬間時たまに様々な可能性が開く瞬間に出会う(タイムリープ異世界平行世界妄想の世界等はたまた願い事が一つ勝手に叶っているとか)

・柔かいマットにばさりと落ちて結局世界は変わっておらず暑い蒸した夏のグラウンド、蝉の声に身を投じる

 辺りかなぁ。まぁ文章に掛けていない要素もあるけれど其れはご愛嬌。

 そのような想像、どのようにして生まれたのかなぁ。軽くグーグルさんで走り高跳び アニメだとか漫画だとか色々打ち込んでも該当するような要素を抱えたアニメはBLOOD+ぐらい。頭の中ではアニメ絵で残っているのだけど。色々な想像が混ざったものかな。やっぱりそうなのかな。

 然し随分前に頭に通った想像なはずわけだけども。実際に吐息を感じたはずのかたちなんだけども。頭って不思議。多分もしかして存在しない。BLOOD+ぐらいしか実物はない。去年ぐらいにみた新海さんcmにみた走り高跳びでは昔友達だった女の子と似た顔の人を見る感覚だったんだなぁ。BLOOD+は昔の友達そのもの? 感覚的にはそうかなぁと思うんだけど本当かな。少々色々なものが混ざりあっていて確かとはいえない。