卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

自らの王

十二国記

 十二国記を見た。アニメで見た。良かった。

45話と云うまぁまぁ長いアニメ。赤髪以外には普通の少女中嶋陽子が同級の男女二人と共に青天の霹靂中華風の異世界に連れられて四苦八苦する始まり。他の二人とは違い特別な力を持ちながら彼女は自らの心持ちに苦心する。周りの目ばかりを伺い良い子ぶっても結局大事だと云えるものは故郷の家族でさえ確かではない状況。彼女は道中の巡り合いを経て様々な事を知る。行動すること。嫌われることなど関係なく生きること。自分の中の感情に向かいあい生きること。他者に委ねるのではない。自身の心の為に生きる。剣を振る。言葉を放つ。誰のためでもない。自分の為に。自分がしたいからするのだ。それ以外のものは要らない。
45話と云う長いスパン。そのなかで全くの別人とも云うべき人間像を浮かべる中嶋陽子。最初は過去の自身と重ね合わせて感情移入して見ていたのだが一度少しの角度を変えてから迎えた中嶋陽子の連続には些か嫉妬の念さえ浮かぶほどのものであった。最初は俺が王、王なのかと上手く創られた脚本にやられてしまったのだが、其れが下手な考えだと見つけられるかのように後の中嶋陽子の活躍にはぐぐぐと項垂れる他なかった。
十二国記で受け止めた自らが今後も考えていくべき大切なものは人として私として生きる為に大切なこと。他者と云うものだとかにどうしてもよたれてしまう部分を持つ私。自らの領土を確かと生きる。頭を上げて生きる。よたれてはいけない。自らの王。其れこそが肝要。自分が一体何であるのか。掴みようのない当たり前に四苦八苦しながら日々生きていくこともある種大切なものだ。その事を考えながら生きていくことは大切だ。護らなければならないものだ。自分として生きる為に。