卵の殻保存同盟

落ちた鈍い殻はとてもおいしい、と思う

『ビアンカ・オーバースタディ』を読んだ

古墳にまみれた世界の狭間に暮らすかたちには深夜テレビに出ていて時かけの原作者なんでしょ的原始イメージ筒井康隆氏がライトノベルの形式を取り入れて書いたり書かなかったりな『ビアンカ・オーバースタディ』を読んだ。氏の小説は『時をかける少女』『旅のラゴス』『家族八景』『壊れかた指南』を読んだことがある。かたち的にはかなりはっちゃける人、演劇をする人、水木漫画に出てくるようなずる賢いわる猫のイメージがあるが、実際のところは知らない。
かたちの場合筒井康隆の小説を読むとなると古典的名前の実態調査の意味合いが強くなるが『ビアンカ・オーバースタディ』の場合は話題性に頭に残っていた為、それほど小説界隈に生息する私でなくとも、Twitterで見掛けて頭に残っていたため、いつかのネット通販にて家にやってきてぐつぐつ煮込んで、遂に読むこととなった。
内容は勝手に思い込むかたちには最終的に良かったという終わりかた、主たる少女ビアンカ、美少女かわいいながらウニの生殖に嵌るビアンカ、鬱々とした傍観者なんて影響を受けず大きく歩くビアンカが平凡な日常をまともに生きる為の紆余曲折が書かれている。
読書に私の性を持ち込まず、良いところ有りきでとにかく読んでいく私ではあるが、此れから良いも悪いも関係ない世界を表す為にも良くないと思った部分も書いて改善していきたい次第である。
とにかくまだ自身の態度を定めることで定いっぱいなかたちは『ビアンカ・オーバースタディ』に対する感想の文章を繋げず並べて示そうと思う。
では良いところから
〈良いところ〉
・巨匠とも言えるお爺様のフットワークの軽さから来る話題性には目を惹かれた。読みたい気力は湧いてくる。
・表紙、挿絵のいとうのいぢのイラストが好き。浦沢直樹貞本義行のイラスト遍歴でも感じた所謂年の功による深みが目に止まります。美麗なイラストありがとうございました。
・冊子のデザイン好き。水玉模様並んでいるだけなのに、置き方で変わるよなぁって。
・目次をみてスペルマという単語をみて嫌な予感。
・章の始まり毎に書かれた定型文、その始まりの部分は凄いと感じる。僕の中に感じたものが言葉になったので。しっかりと取り巻く事象と感情の流れが書かれているので。
・性的な要素絡む。こういうの有りなんですか。そりゃあそうか。頭の中にあるんだからなぁ。大丈夫だなぁ。
・かわいいと感じる文章が多かった。
・人間と感じる。ビアンカの行いで一度時をかけたりね。ヤンキー少女がヤクザの陰嚢切り取ったりね。しっかりと世界に人格を入り込めているもののお話。

〈良くないと感じた部分〉
・塩崎の性格はそうなっていくのかと思い違い。結構図々しいところを表に示せられるのならば、どうであれなかなかの男だと思う。初めの印象ではもっとおとなしくもじもじした感じだと思っていたのに。ビアンカ様っていきなり述べられるんだからさ。
・少々古く感じられる要素多々。少女という言葉の造形等。
・未来で行われた様々がおもしろくはあるがしょぼい。前半部分の大きな流れ、生殖系の繋がりと接続しておらずばきーんと心に来ない。しかしそれがあるからこそビアンカは自分の暮らす世界にてしっかりと生きようと決心したわけだからね。


まぁ取り敢えずはこんなものだ。